解答解説2では、本試験の問11~20についてその内容を確認していきます。
問11 白麹菌の学名を選択肢より一つ選べ
1.アスペルギルス・オリゼ 2.アスペルギルス・リュウキュウエンシス
3.アスペルギルス・カワチ 4.アスペルギルス・リゾーブス
・アスペルギルス・オリゼは黄麹菌
・アスペルギルス・リュウキュウエンシスは黒麹菌
・アスペルギルス・カワチは白麹菌
・アスペルギルス・リゾーブスはクモノスカビ族に分類される
正解は3.アスペルギルス・カワチ
問12 一般的に「発酵力が強く、穏やかな香りと軽快な味わいに仕上がる」とされる酵母を選択肢より一つ選べ
1.協会3号 2.協会6号 3.協会9号 4.協会1801号
・協会3号は1914(大正3)年に分離、現在は領布なし
・協会6号は発酵力が強く、穏やかな香りと軽快な味わいに仕上がる
・協会9号は非常に華やかな吟醸香をもたらす吟醸酒用酵母の代表
・協会1801号は酢酸イソアミルおよびカプロン酸エチルの生成が高く、高エステル生成酵母と呼ばれる
正解は2.協会6号
問13 製麹の工程において床作業と呼ばれる工程に当てはまらないものを選択肢より一つ選べ
1.引き込み 2.盛り 3.切り返し 4.仲仕事
・引き込み、盛り、切り返しは床作業の工程に当てはまる
・仲仕事は棚作業の工程である
正解は4.仲仕事
問14 国立醸造試験所で1910年に開発された酒母の育成方法を選択肢より一つ選べ
1.高温糖化法 2.そやし水添加法 3.乳酸菌育成法 4.乳酸添加法
・乳酸添加法は、国立醸造試験所で1910年に開発された酒母の育成方法
・高温糖化酛は、1940年ころ広島県で開発された製法
・乳酸菌育成法は生酛、山廃酛に用いられるが時間、コスト、手間がかかる
・酸性にした「そやし水」と呼ばれる仕込み水を使用する菩提酛は生酛系酒母以前の製法である
正解は4.乳酸添加法
問15 日本酒に添加する醸造アルコールの主な原料を選択肢より一つ選べ
1.大麦麦芽 2.糖蜜類 3.ジャガイモ 4.ブドウ
・醸造アルコールは糖蜜(廃糖蜜)やとうもろこしなどを原料とすることがほとんどである
・米を原料にした醸造用アルコールを使用する場合もある
正解は2.糖蜜類
問16 江戸時代におけるアルコール添加の目的としてももっとも正しいものを選択肢より一つ選べ
1.味わいの軽快化 2.香気成分の引き出し 3.腐敗防止 4.コストの削減
・江戸時代は防腐効果のためで、この技法を柱焼酎と呼んだ
・太平洋戦争前後は原料削減や増量を目的に醸造アルコールを添加することがあった
・醪に添加することで味わいを軽快化したりドライテイストにできるので昭和後期から用いられる
・醪中の固形分に吸着した吟醸香を引き出せるので、平成に入り香味成分を引き出すことを目的に利用される
正解は3.腐敗防止
問17 貴醸酒を造る場合、一般的に三段仕込みのどの段階で日本酒を投入するか選択肢より一つ選べ
1.仲添え 2.踊り 3.留添え 4.初添え
・仕込み水の代わりに一部日本酒を加えたものを貴醸酒と呼ぶ
・一般的に三段仕込みの最終段階である留添えの際、水の代わりに日本酒を入れて造られる
・濃厚な甘みと、琥珀色をした色調になるのが特徴
正解は3.留添え
問18 日本酒の上槽の際、最後に抽出する部分の名称を選択肢より一つ選べ
1.あらばしり 2.せめ 3.雫酒 4.滓がらみ
・滓(おり)がらみは抽出した滓を少しだけ混ぜたもの
・あらばしりは、酒袋に醪をつめて搾る際に圧力をかける前に流出する部分
・最後に抽出する部分は「せめ」と呼ぶ
・醪の入った酒袋の首部分を縛ってぶら下げ、滴り落ちる部分を抽出する手法を「袋搾り」「雫酒」と呼ぶ
正解は2.せめ
問19 日本酒の滓引きの際、貯蔵タンク下部の下呑みから抽出した日本酒の名称を選択肢より一つ選べ
1.にごり酒 2.あらばしり 3.滓酒 4.雫酒
・あらばしりは、酒袋に醪をつめて搾る際に圧力をかける前に流出する部分
・滓酒は下呑から抽出した固形分の多い部分
・にごり酒は上槽をしていない酒の分類である
・醪の入った酒袋の首部分を縛ってぶら下げ、滴り落ちる部分を抽出する手法を「袋搾り」「雫酒」と呼ぶ
正解は3.滓酒
問20 奈良時代の役所の中で酒を造っていた部署の名称を選択肢より一つ選べ
1.倭人条 2.酒部 3.酛廻し 4.弾正台
・奈良時代ごろ、造酒司という役所の中に酒部という部署が設けられ、朝廷による酒造りが行われていた
正解は2.酒部
以上で解答解説2は終了です。解答解説3では問21~30の内容を確認していく予定なのでよろしくお願いします。