日本酒検定2級 2021解答解説3

日本酒検定

解答解説3では、本試験の問21~30についてその内容を確認していきます。

 

問21 口噛みの酒記述があるのはどこの『風土記』か選択肢より一つ選べ

1.大隅国 2.筑前国 3.伯耆国 4.大和国

・大隅風土記の中に口噛みの酒の記述があり、これを日本酒の起源とする説がある

正解は1.大隅国

 

問22 僧坊酒ともっとも関係性のないものを選択肢より一つ選べ

1.般若湯 2.伊丹酒 3.菩提泉 4.天野酒

・天野酒は大阪府河内長野市の天野金剛寺で造られた代表的な僧坊酒
・伊丹酒は僧坊酒の衰退後に伊丹などの酒蔵が諸白を改良し、高品質かつ大量に生産したもの
・僧坊酒の台頭後、般若湯は飲酒が戒められていた禅系寺院で生まれた隠語
・菩提泉は奈良県奈良市の菩提山正暦寺で造られた代表的な僧坊酒

解答は2.伊丹酒

 

問23 僧坊酒の衰退にもっとも関わった歴史上の人物を選択肢より一つ選べ

1.織田信長 2.北条政子 3.豊臣秀吉 4.徳川家康

・織田信長の比叡山焼き討ちに代表されるように、時の支配者たちが寺院勢力を執拗に滅ぼす中、僧坊酒が衰退していく
・一方、各地の武将が自国の酒造りを推奨するとともに、織田信長が制定した「楽市楽座」制度により、酒は全国へ広がっていく

正解は1.織田信長

 

問24 平安時代の『延喜式』 に書かれた醪に木灰を加える手法を選択肢より一つ選べ

1.澄酒 2.火持 3.灰持 4.濁醪

・醪に木灰を加えて酒の保存性を高める手法は灰持と呼ばれる
・これに対して、火入れにより保存性を高める手法は火持と呼ばれる
・澄み酒は、江戸時代に清酒を指したもの
・日本酒の起源では日本酒は濁醪と呼ばれていた

正解は3.灰持

 

問25 江戸時代の「菱垣廻船」の説明として誤っているものを選択肢より一つ選べ

1.伊丹酒を江戸に輸送していた    2.木製の菱組格子が装飾されていた
3.木綿、油、醤油などを輸送していた 4.樽廻船に比べ安い運賃である

・菱垣廻船の特徴は次のとおり
・伊丹酒を江戸に輸送していた
・木製の菱組格子が装飾されていた
・木綿、油、醤油などを輸送していた
・樽廻船のほうが早く、安価であり主流となっていった

正解は4.樽廻船に比べ安い運賃である

 

問26 江戸時代に開発または一般化した日本酒造りの技法を選択肢より一つ選べ

1.高精白 2.醸造アルコールの添加 3.酵母の培養 4.乳酸添加

・醸造アルコール(柱焼酎)は江戸時代に行われていた
・昭和に入り竪型精米機の発明によって高精白は可能となった
・乳酸添加法は1910(明治43)年に開発された
・1911(明治44)年から全国新酒鑑評会で上位となった酒蔵の酵母を採取し分離や培養を行った

正解は2.醸造アルコールの添加

 

問27 蔵人の中で「三役」に当てはまる役職を選択肢より一つ選べ

1.杜氏 2.釜屋 3.麹師 4.相麹

・蔵人の三役は「頭」「麹師または大師」「酛廻または酛師」

正解は3.麹師

 

問28 明治政府が自家製醸造を禁止した年代を選択肢より一つ選べ

1.1860年代 2.1870年代 3.1880年代 4.1890年代

・酒税が重要な財政現となる中、より円滑な徴収を目的とし、政府は1899(明治32)年に酒類の自家醸造を禁止した

正解は4.1890年代

 

問29 太平洋戦争下の日本酒に関する施策として誤っているものを選択肢より一つ選べ

1.合成清酒の開発 2.庫出(蔵出し)税の制定 3.酒造法におけるアルコール添加の許可 4.級別制度の導入

・合成清酒の開発は1918(大正7)年の米騒動の際に開発された
・庫出(蔵出し)税の制定は太平洋戦争下
・酒造法におけるアルコール添加の許可は1944(昭和19)年
・級別制度の導入は1943(昭和18)年

正解は1.合成清酒の開発

 

問30 日本酒の生産量および消費量がピークの年を選択肢より一つ選べ

1.1949年 2.1961年 3.1973年 4.1983年

・1973(昭和48)年日本酒の生産量および消費量がピークをむかえる

正解は3.1973年

 

以上で解答解説3は終了です。解答解説4では問31~40を確認していく予定ですのでよろしくお願いします。

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