日本酒検定3級 過去問分析5

日本酒検定

 先日お伝えしたとおり、おかげさまをもちまして日本酒検定3級に資格に合格できました。未公開のノートがあと2回分ほどありますので、過去問分析シリーズとして公開したいと思います。

テキスト序章

日本酒を構成する5つの核
水、米、発酵、気候風土、蔵元・杜氏・蔵人

日本酒ならではの魅力10カ条
これらの魅力要素を生かす楽しみ方を心がけてみましょう
1.冷やしても温めても楽しめる引用温度帯の広さ
2.夏は冷酒、冬は燗酒など、季節ごとに飲み分けられる
3.料理との相性が広い食中酒。特に魚介類と好相性(主に麹の効果)
4.旨味成分(アミノ酸など)を含むコクのある酒
5.アルコール飲料の中では、身体を冷やす効果が低く、また美肌効果が高いとされる健康酒
6.各地域の特性を反映したバラエティ豊かな地酒
7.日本を代表する国酒
8.神様に捧げる聖なる液体として伝承されてきた伝統酒
9.高価な原料から造られる特別な酒
10.高度な技術(並行複発酵)を要する付加価値の高い酒

季節行事と日本酒

屠蘇
正月に屠蘇を飲む習慣は平安時代から。屠蘇とは健康効果の高い漢方薬(山椒、肉桂、防風、オケラ、小豆、桔梗など)を日本酒やみりんにまぜたもの。家族と共に飲み、その年の健康を願います。

花見酒
古来より、農村では桜の木を田んぼの神様の憑代と考えてきました。そのため、桜の花が咲くころに日本酒を供えて、その年の米の豊作を祈願したのが花見酒の始まりとされています。

白酒
桃には、邪気を祓うとともに、子孫繁栄、不老長寿の効果があるとされ、室町時代から3月3日の桃の節句には、桃の花びらを浮かべた桃花酒を飲む習慣がありました。江戸時代以降は、みりんや焼酎などに蒸した餅米や米麹を仕込み、軽くすりつぶした白酒(アルコール分9%前後)を飲む習慣に変わりました。

菊酒
菊の花びらは邪気を祓い、不老長寿の効果があるとされ9月9日の重陽の節句に菊の花びらを浮かべた菊酒を飲む習慣が平安時代から伝承されています。

その他
平安時代の貴族が夏場に嗜んでいたという、日本酒に氷を浮かべた「氷室酒」、豊作祈願および豊作のお札を込めて飲む「祭りの酒」、中秋の名月を鑑賞しながらの「月見酒」、雪景色を愛でながらの「雪見酒」がる。

温度の違いで変化する香りや味わい

 日本酒の引用温度は実に多様。一般的に「常温」というと平均的な室温を指すことが多く、日本では20~25℃くらいになります(フランスでは18℃位)。「冷や」は夏場は25℃、冬場は5℃と、温度が大きく違っていたが、冷蔵庫が普及してからは、冷蔵庫で10℃以下に冷やしたものを「冷酒」と呼び、冷蔵庫に入れない者を冷やと呼ぶケースもでてきた。

 温めたお酒=「熱燗」と呼ぶ人が少なくありませんが、正確には熱燗は50℃を指します。ぬるめの燗酒はすべて「ぬる燗」ではなく、図のようにそれぞれの温度に名称があります。日本酒は温度を変えることで、香り、飲み口、味わいが変化します。その傾向を覚えておくと、どんな日本酒をどんな温度で飲めば良いかがわかるようになるでしょう。

日本酒の冷やし方、温め方

 日本酒を冷やすのに一番早い方法は、氷水に漬けること。ボトルの首まで氷水に漬けると1分で1℃程度下がります。ただし、日本酒のラベルは濡らすとはがれやすいので持ったときにツルっとすべって落とさないように気をつける。

一方、温める場合、水が100℃で沸騰するのに対して、アルコールは78.3℃で沸騰します。よって80℃以上の熱を加えるとアルコールの気発が進み、ビリビリとした刺激の強すぎる燗酒となってしまいます。
 理想的な燗の手法は湯煎です。80℃位のお湯を用意し、徳利や銚子、ちろりなどを首まで漬けておくと2~3分で40~45℃位に温まります。電子レンジを利用する場合は、一気に熱が加わると、徳利の中で温度ムラができやすいことに注意が必要です。

飲むための酒器


計量するための道具であったが昭和30年ごろから飲むための酒器として使われ始めた

猪口(ちょこ)
主に熱燗を飲む際に使用される

蛇の目利き猪口
底に青い二重丸の入った猪口で日本酒の色を見極めるために杜氏や蔵人が使用

ぐい呑み
ぐいっと飲めるが語源、猪口より大きめの酒器全般を指す

切子
ガラスに装飾を施したグラス、江戸、薩摩のものがとくに有名で高価

注ぐための酒器

 日本酒は一升瓶という大型のボトルが主流で、猪口などの飲むための酒器に注ぎづらいため、徳利や銚子などの注ぐための酒器が存在します。現在では徳利と銚子は同意語として使われていますが、もともと銚子は神事で使用される高級酒器、徳利は醤油や酢を保存するための壺を指していました。

 日本酒は神事の際に飲まれるものだったので銚子が用いられていましたが、江戸時代以降、庶民が日本酒を飲むようになると、注ぎ口の長い銚子より、壷型の徳利のほうが湯煎しやすく、気軽で使いやすいと、徳利が一般化していきました。日本酒用の酒器が銚子から徳利に変わったことが「神様・天皇の酒」から「庶民の酒」になった象徴だとされています。

片口
ワインのデキャンタのように表面積が広く、空気との接触面がひろい酒器を指します。和の風情にあふれ、演出的に優れています。空気に触れることで味わいをまろやかに変化させ、冷めたすぎる日本酒の温度を上げるなどの利点もありますが、香りが飛びやすく酸化の速度が速まるリスクのまるので留意しなければなりません。

もっきりの衰退
枡の中にグラスを入れ、日本酒をあふれさせて注ぐスタイルは「もっきり」などと呼ばれ昭和30年ころから始まったといわれます。当時は人気でしたが、「グラスを持つ手が汚れる」、「テーブルが汚れる」などの理由で行われなくなっているようです。

 今回分はここまでとなります。日本酒検定3級の過去問分析ノートは次回で最終回となりますので引き続きよろしくお願いします。最後までご覧いただきありがとうございました。

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