2021年ころにFBOサイトに掲載されていた問題(おそらく過去問)とその解答を確認します。
問31 西宮郷の水質が優れていることに気が付いた(「灘の宮水」を発見した)とされる酒蔵はどこか。
1.現・剣菱
2.現・菊正宗
3.現・櫻正宗
4.現・白鶴
1839(天保10)年頃、西宮郷と魚崎郷で酒を造っていた櫻正宗(現・櫻正宗株式会社)六代目当主・山邑負太座衛門が、西宮郷で造った方が高品質であることに疑問を持ち、いろいろと試してみたところ西宮郷の水質が優れていることに気づいた。
正解は、3.現・櫻正宗
問32 明治、大正時代に開発されていないものはどれか。
1.合成清酒
2.竪型精米機
3.速醸系酒母
4.琺瑯タンク
それぞれの開発時期は次のとおりである。
・合成清酒は1918(大正7)年
・竪型精米機は昭和時代
・速醸系酒母は1910(明治34)年
・琺瑯(ほうろう)タンクは大正時代から昭和初期にかけて
正解は、2.竪型精米機
問33 戦後に台頭した「三増酒」の当時の呼び名として間違っているものはどれか。
1.メチル
2.カストリ
3.バクダン
4.角打ち
物資不足により、メチル、カストリ、バクダンなどと呼ばれる粗悪な密造酒が横行した。なお、角打ちは酒屋の一角を飲酒スペースとして仕切って立ち飲みすることである。
正解は、4.角打ち
問34 唎酒時に使用する「蛇の目の唎猪口」が開発されたのはいつか。
1.約10年前
2.約50年前
3.約100年前
4.約500年前
蛇の目とは江戸時代頃から傘や家紋などに使用されてきた印である。この印を青色にして唎猪口に採用したのは1911(明治44)年に開催された第1回全国新酒鑑評会の時であり、審査員用として作られた。
正解は、3.約100年前
問35 日本酒製造業者は、清澄度や透明感の高い外観を何と呼ぶか。
1.サエ
2.テリ
3.ボケ
4.水晶
日本酒製造業者は外観を次のように表現することがある
・清澄度や透明感の高い外観を「サエがある」(少し青みがかっている状態は青ザエ)
・少し黄みがかった状態を「テリがある」
・濁りや曇り状態を「ボケ」「白ボケ」
なお、提供者である唎酒師が使用すべき表現ではない。
正解は、1.サエ
問36 日本酒が黄色化する理由に含まないのはどれか。
1.紫外線を浴びる
2.空気と接触する
3.時間が経過する
4.高温場所で保管する
日本酒が黄色化する理由には次のものがある。
・濾過
・時間経過
・紫外線・熱
・貯蔵容器
正解は、2.空気と接触する
問37 褐変(メイラード)反応は日本酒に含まれるどの成分が変化することを指すか。
1.クエン酸
2.酒石酸
3.アミノ酸
4.リンゴ酸
時間経過で生じる熟成香の主成分は褐変反応(メイラード反応またはアミノカルボニル反応)によりアミノ酸が分解して生成するソトロンとされる。
正解は、3.アミノ酸
問38 日本酒に含まれる旨味成分はビールの何倍程度とされているか。
1.約2倍
2.約4倍
3.約8倍
4.約16倍
日本酒に含まれる旨味成分は、ワインの約2~3倍、ビールの7~10倍に相当するとされる。
正解は、3.約8倍
問39 劣化臭である「日光臭」が生じた日本酒に含まれる成分はどれか。
1.メルカプタン
2.ジアセチル
3.酢酸エチル
4.脂肪酸
日光臭は紫外線の影響で、日本酒中の成分が分解されて生じる香りを指す。成分は傷んだ玉ねぎやガスに例えられるメルカプタンなどである。
正解は、1.メルカプタン
問40 時間経過により生じる「ソトロン」はどのような香りとされているか
1.乳製品類のような香り
2.根菜類のような香り
3.スパイス類のような香り
4.木類のような香り
ソトロンはカラメル、黒糖様の甘い香りを呈し、高濃度ではスパイス様ともされる。
正解は、3.スパイス類のような香り
過去問分析9は以上となります。