2021年ころにFBOサイトに掲載されていた問題(おそらく過去問)と解答を確認します。
問21 日本酒の起源とされる説が掲載されていない文献はどれか。
1.万葉集
2.古事記
3.播磨風土記
4.大隅風土記
・古事記は中国から伝来した麹を利用した酒の記述がある
・播磨風土記はカビを利用した酒の記述がある
・大隅風土記は口噛みの酒の記述がある
日本酒製造起源所説(テキストP118からの出題)
正解は、1.万葉集
問22 出雲市の佐香神社に祀られている、酒と農業の神はどれか。
1.久斯之神
2.大山昨神
3.大国主神
4.素戔嗚尊
佐香神社は酒の神であり、農業の神でもある久斯之神(くすのかみ)を主祭伸とする神社で、「日本書記」や「出雲国風土記」にも記述されている。
酒の神を祀る神社(テキストP120)からの出題
正解は、1.久斯之神(くすのかみ)
問23 「灰持酒」(あくもちざけ)の手法を記した文献は何か。
1.日本書記
2.風土記
3.御酒之日記
4.延期式
延期式には、醪に木灰を加えて、酒の保存性を高める手法は「灰持」とよばれるとの記述がある。
なお、「延期式」は平安時代中期の法律などが編集された文献であることに注意する。
コラム延期式に記された「白酒」「黒酒」という神酒(テキスP122)からの出題
解は、4.延期式
問24 生酛系酒母の原型とされる「菩提酛」が記載されている文献はどれか。
1.童蒙酒造記
2.多聞院日記
3.御酒之日記
4.延期式
・御酒之日記(ごしゅのにっき)には、乳酸発酵の応用や木炭による濾過についての記述が見られる。
上記テキストの記述のみでは「菩提酛」の記載があるかは判断ができないので以下補足情報
菩提研サイトより
https://bodaimoto.org/
『御酒之日記』に記される『菩提泉』の製法 ~(中略)~ このように、菩提酛の醸造方法の元となる『菩提泉』の製法を再現復活いたしました。
酒造りの発展(テキストP123)からの出題
正解は、3.御酒之日記
問25 「火入れ」や「段仕込み」について、初めて記述された文献はどれか。
1.童蒙酒造記
2.多聞院日記
3.御酒之日記
4.延期式
多聞院日記には、火入れ(加熱処理)や段仕込み法が記された。
酒造りの発展(テキストP123)からの出題
正解は、2.多聞院日記
問26 「寒造り」が始まる以前に呼ばれていた名称に当てはなまらないものはどれか。
1.新酒
2.先酒
3.間酒
4.寒前酒
寒造りが始まる以前は、新酒、間酒、寒前酒、寒酒、春酒と年に5回、酒造りが四季を通じて行われていた。
「寒造り」の始まり(P126)からの出題
正解は、2.先酒
問27 太平洋戦争下でとられた戦費捻出策に当てはまらないものはどれか。
1.蔵出し税の導入
2.造石税の導入
3.酒類販売の免許制
4.級別制度の導入
巨額の戦費を捻出するために、政府は日本酒に対して造石税だけでなく、蔵出し税を課すようになる。酒類販売にも1938(昭和13)年に免許制度を設け、1943(昭和18)年には酒類が配給制度となるとともに級別制度を導入した。なお、造石税は造った石数に対して課せられる税で明治初期に定められたもの。
太平洋戦争下の日本酒(テキストP132)からの出題
正解は、2.造石税の導入
問28 1949年に発足した組織は何か。
1.大蔵省
2.国税庁
3.日本醸造協会
4.国立醸造試験所
1949(昭和24)年には国税庁が発足し、その後現行の酒税法が施行される。
高度成長期における日本酒の隆盛(テキストP133)からの出題
正解は、2.国税庁
問29 戦後の物資不足の中で、1949年に定められた法律は何か。
1.公正競争規約
2.増醸法
3.醸造アルコール添加法
4.酒類販売免許法
戦後の物資不足が続く中、米と米麹で造った醪に同濃度の水で希釈したアルコールを入れ、ここに糖類、酸味料、グルタミンソーダなどを添加する製法が1949(昭和24)年に合法的に認められた。
「三増酒」の台頭(テキストP133)からの出題
正解は、2.増醸法
問30 全国の「乾杯条例」において、条例名内に日本酒以外の酒類も推奨している自治体はどこか。
1.山形県山形市
2.福島県喜多方市
3.愛知県知多郡南知多町
4.新潟県長岡市
・山形県山形市は山形市日本酒で乾杯を推進する条例
・福島県喜多方市は喜多方産の酒器に注いだ日本酒による乾杯を推進する条例
・愛知県知多郡南知多町は南知多もぎたてみかん酒及び知多産の日本酒で乾杯を推進する条例
・新潟県長岡市は長岡市日本酒で乾杯を推進する条例
コラム乾杯条例(テキストP142~143)からの出題
正解は、3.愛知県知多郡南知多町
過去問分析8は以上となります。